「寮生活ってどんな感じ?」
ラグビー部に入っていると、意外とよく聞かれる質問だ。
高校3年間、そして大学3年間。
僕は合計6年間、ラグビー部の寮で生活してきた。
もちろん、6年間ずっと同じような生活だったわけではない。
高校では監督が所有する家を寮として使っていて、今思えばかなり自由な環境だった。
一方、大学では人数の多い寮で、決められたルールの中で生活している。
高校と大学で環境はかなり違ったけれど、6年間寮で生活したからこそ感じることもたくさんある。
今回は、そんなラグビー部の寮生活について書いてみたい。
高校と大学で全然違った寮生活
高校の寮は、監督が所有している家を寮として使っていた。
今の大学の寮のように、細かいルールがたくさんあるわけではなかった。
もちろんラグビー部なので、練習や生活の決まりはあったが、良くも悪くも今より自由だったと思う。
大学に入ってからは、人数も多く、ルールのある寮生活。
高校の頃とは違い、自分一人の判断だけではどうにもならないことも増えた。
だからこそ、6年間の寮生活を振り返ると、
「寮生活」と一言で言っても、その環境によって全然違うんだな
と感じる。
一番大変だったのは「先輩を起こさないこと」

寮生活で意外と難しかったのが、朝起きること。
正確には、
「先輩を起こさないように起きること」
だった。
自分は起きなければいけない。
でも、周りにはまだ寝ている先輩がいる。
普通なら目覚ましを鳴らして起きればいい。
でも寮ではそう簡単にはいかない。
音を立てないように起きる。
できるだけ静かに準備する。
こういう小さなことにも気を使う。
今思えば、「周囲を見る」ということをかなり鍛えられた環境だったと思う。
一番きつかったのは、クーラーがなかったこと

高校3年間で一番印象に残っているのは、
クーラーがなかったこと。
今考えても、よく3年間やっていたなと思う。
夏の夜は当然暑い。
寝ようとしても暑い。
でも次の日には練習がある。
なんとかして寝なければいけない。
そこで、扇風機の位置を変えてみたり、窓を開けたり、少しでも涼しくなる方法を試したり。
いろいろな工夫をして、なんとか寝ていた。
今ならエアコンの効いた部屋で寝るのが当たり前だけど、当時はそれが普通だった。
そして面白いのは、そんな環境でも慣れてしまうこと。
「暑いけど、まあこんなものか」
と思いながら生活していた。
人間、意外とどんな環境にも適応するものだ。
「一人の時間がない」のも意外と大変
寮生活でもう一つ大変だったのが、
一人の時間が少ないこと。
僕自身、一人で過ごす時間も欲しいタイプだった。
学校に行って、練習して、ご飯を食べて、寮に帰る。
そこからも周りには部員がいる。
楽しい反面、ずっと誰かと一緒にいる。
そこで僕が買ったのが、ノイズキャンセリング付きのイヤホン。
「これで一人の世界に入れる!」
と思っていた。
しかし、寮生活ではそれが思わぬ問題を引き起こした。
ノイズキャンセリングをつけているので、周りの音が聞こえない。
当然、先輩から話しかけられても気づかない。
一回ならまだしも、何度も無視してしまい、怒られた。
今思えば完全に自分が悪い。
一人の時間を確保するために買ったイヤホンで、先輩とのコミュニケーションを遮断してしまった。
でも、この経験からも、
「自分の快適さだけを優先するのではなく、周囲とのバランスを考える」
ということを学んだ。
それでも寮生活は楽しい

ここまで書くと、
「寮生活って大変なことしかないの?」
と思われるかもしれない。
もちろん、そんなことはない。
むしろ僕が6年間寮生活を続けて、一番強く残っているのは、
楽しかった思い出の方だ。
特に好きだったのが、オフ前。
次の日が休みだと分かっているだけで、みんなのテンションが少し上がる。
みんなで遊びに行ったり、くだらないことで盛り上がったり。
普段の練習では真剣にラグビーをしているからこそ、こういう時間が楽しかった。
そして高校時代、先輩が遠征などでいない時に、下級生だけで先輩の部屋に集まることもあった。
普段なら入ることを少しためらうような場所に集まって、みんなでくだらない話をする。
今振り返ると、こういう何気ない時間こそ、かなり記憶に残っている。
先輩・後輩との関係から学んだこと
寮生活では、当然ながら先輩と一緒に生活する。
最初は怖い。
特に高校1年生の頃なんて、何をしていいのか分からない。
先輩の部屋に入るのも少し緊張する。
話しかけるタイミングも考える。
でも、3年間、そして大学でも先輩後輩と生活していると、少しずつ慣れていく。
そして気づいたのが、
人にはいろんなタイプがいる
ということ。
- 厳しい人。
- 優しい人。
- よく話す人。
- あまり話さない人。
- 冗談が好きな人。
- 真面目な人。
同じように接しても、全員と上手くいくわけではない。
だからこそ、
「この人にはどう接したらいいのか」
を自然と考えるようになる。
これは社会に出てもかなり大切なことだと思う。
寮生活では、上下関係を学ぶだけではなく、いろんな人との関わり方そのものを学べたと思っている。
寮生活で身についたこと
6年間を振り返ると、寮生活で身についたものはかなり多い。
特に大きかったのは、
①生活習慣
②自立
③協調性
④我慢強さ
⑤人との距離感
⑥周囲を見る力
⑦人に頼る力
このあたり。
もちろん、全部が寮生活だけで身についたわけではない。
ラグビーそのものから学んだことも多い。
ただ、毎日同じ仲間と生活するという環境だったからこそ、これらの能力は満遍なく鍛えられたと思う。
自分のことを自分でやる。
でも、全部を自分だけでやろうとしない。
周囲に合わせる。
でも、自分を押し殺しすぎない。
人との距離を考える。
必要な時には人に頼る。
こういうことを、6年間の生活の中で少しずつ覚えていった。
一番大きかったのは「仲の深さ」
寮生活の一番の良さは、やっぱりこれだと思う。
仲間との距離が近くなる。
学校だけで会う友達とは違って、朝起きた時から夜寝るまで一緒にいる。
嬉しいことも、嫌なことも、試合に勝った日も、負けた日も。
何でも一緒に経験する。
だからこそ、自然と仲も深くなる。
練習で嫌なことがあった日でも、寮に帰れば誰かがいる。
逆に、楽しいことがあった日も一緒に笑える。
そうやって毎日を積み重ねていく。
「何もない日」がない
6年間を振り返って、個人的に一番好きな表現は、
「何もない日はなかった」
ということかもしれない。
もちろん、毎日が特別なイベントだったわけではない。
普通に練習して、普通にご飯を食べて、普通に寝る。
そんな日もたくさんあった。
でも、その「普通」の中にも必ず誰かとの会話があった。
くだらないことで笑ったり、練習の愚痴を言ったり、試合について話したり。
何気ない一日でも、誰かと過ごした記憶が残っている。
だから、振り返ると「何もなかった日」がほとんどない。
6年間、寮に入ってよかった
もちろん、寮生活が楽だったわけではない。
自由がないこともある。
一人になりたい時もある。
暑くて寝られない日もあった。
先輩に気を使うこともあった。
イヤホンをしていて怒られたこともあった。
それでも、
寮生活をしてよかったと思っている。
一人暮らしだったら身につかなかったこともたくさんあると思う。
生活習慣。
人との関わり方。
周囲を見る力。
我慢する力。
人に頼ること。
そして何より、仲間との関係。
6年間、毎日同じ場所で生活したからこそ生まれた関係は、寮生活をしていなければ得られなかったものだと思う。
6年間は長い。でも、振り返ればあっという間
高校3年間。
大学3年間。
合わせて6年間。
「6年間も寮にいた」と考えると、あまりにも長い。
でも、今振り返ると、
「あっという間だった」
というのが正直な感想だ。
クーラーのない部屋でどうにか寝ようとしていた高校時代。
先輩に気を使いながら生活していた頃。
オフ前にみんなで遊んだ夜。
先輩がいない部屋に下級生で集まっていた時間。
大学に入って、また違う環境で仲間と生活したこと。
どれも、その時は当たり前だった。
でも、今振り返ると全部が思い出になっている。
寮生活は、自由が少ない。
一人の時間も少ない。
大変なこともある。
それでも、毎日誰かと一緒に過ごすからこそ、「何もない日はない」6年間だった。
もし高校・大学生活をもう一度やり直せるとしても、僕はきっとまた寮に入ると思う。
大変だったことも含めて、今の自分を作ってくれた6年間だったから。




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