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「友達なら、裏切らない。」
多くの人が当たり前のように思っていることを、真正面から疑ってくる漫画が『トモダチゲーム』だ。
きっかけは、マガポケで面白そうな漫画を探していたときに、たまたま見つけたこと。
「トモダチゲーム」というタイトルを見て、「面白いタイトルだな。どんな漫画なんだろう」くらいの軽い気持ちで読み始めた。
物語は、仲の良い5人組が突然ゲームに参加させられるところから始まる。
最初は「みんなで協力すれば大丈夫」と思えるのに、ゲームが進むにつれて、お金、嘘、裏切りによって少しずつ関係が壊れていく。
そして何より怖いのが、主人公・片切友一自身が「善人なのか、悪人なのか」が最後まで分からないこと。
人の心を読み、相手を操り、必要なら何かを犠牲にする。普通の「頭のいい主人公」とは違い、友一はその頭脳を自分のためだけではなく、友達を守るためにも使う。
だからこそ、「この人を信じていいのか?」と読者まで疑心暗鬼にさせられる。
今回は、そんな『トモダチゲーム』を実際に読んで感じた、心理戦や裏切りの面白さだけではない、この作品ならではの「友情」の怖さと美しさについて書いていきます。
『トモダチゲーム』の一番の魅力は「友達を疑わせること」
僕が『トモダチゲーム』で特に好きなのは、
心理戦・裏切り・主人公の異常さ・どんでん返し。
この4つ。
ただゲームに勝つために頭を使うだけではない。
「こいつは何を考えている?」
「本当にこの人を信じていいのか?」
「今の行動には何か裏があるんじゃないか?」
と、読んでいる自分まで疑いながら読み進めることになる。
特に面白いのが、ゲームのルールそのものより、そのルールの穴をどう利用するか。
「そんな方法があったのか」と思わされるだけでなく、相手の心理を利用して、そもそも相手が想定していたゲームそのものを壊してしまう。
だから、単純に「頭がいい人が勝つ」という漫画ではない。
相手が何を考えているのかを考え、そのさらに先を読む。
その繰り返しが『トモダチゲーム』の魅力だと思う。
主人公・片切友一が怖すぎる

最初に友一を見たときは、「仲間思いで、お金がない主人公」という印象だった。
ところが読み進めていくと、どんどん印象が変わっていく。
ずるい。
怖い。
人の心がないように見える。
それでも、友達だけは裏切らない。
ここが友一というキャラクターの一番好きなところ。
普通の「天才主人公」なら、自分が勝つために最善の手を選ぶ。
でも友一は違う。
何かを犠牲にすることを厭わない。
自分が嫌われても、悪者になっても、仲間を守るためならそこまでやる。
だから読んでいる途中で何度も、

もしかして、一番怖いのこいつじゃない?
と思わされる。
実際、僕自身も友一が裏切るんじゃないかと何度も疑った。
それでも最終的には、「実際に友達になったら信用するのは難しそうだけど、それでも信じたい」と思わせてくる。
この矛盾した感情を読者に抱かせる主人公は、かなり珍しいと思う。
「友情」と「お金」、どちらが大切なのか
『トモダチゲーム』を読んでいると、単純に「友情って素晴らしい」という話ではないことに気づく。
むしろ、
「お金が絡んだとき、それでも友情を信じられるのか?」
という問いを突きつけてくる。
特に、高校生にとって「借金」というものは身近なものではない。
最初は現実味のない設定に感じる。
でも、ゲームが進むにつれて、その「お金」が人間を少しずつ狂わせていく。
友達を疑う。
嘘をつく。
裏切る。
そして、自分が助かるためなら相手を犠牲にする。
だからこそ、この作品における友情は単純なものではない。
「友達だから大切」ではなく、さまざまな状況や誘惑、お金の問題を乗り越えたうえで、それでも友達を選ぶ。
そこに、この作品の友情の重さがあると思う。
「友達だからこそ騙せる」という怖さ
普通なら、
「友達なら信じられる」
と考える。
でも『トモダチゲーム』では逆。
友達だからこそ、相手の弱点を知っている。
友達だからこそ、何を言えば傷つくのか分かる。
友達だからこそ、どうすれば信じさせられるのかも分かる。
この作品を読んでいると、
「じゃあ、信頼って一体何なんだ?」
と考えさせられる。
そして面白いのが、僕自身なら大金を賭けて友達を裏切ることには罪悪感があって無理だと思う一方で、自分以外の全員が裏切っているかもしれない状況で、自分だけ犠牲になり続けられるかと言われると、それも難しい。
だから、この漫画のゲームは他人事として読めない。
「自分ならどうする?」と考えた瞬間に、ゲームの参加者と同じ立場に立たされる。
一番印象に残ったのは「友情の檻ゲーム」

特に印象に残っているのが、友情の檻ゲーム。
とにかく登場人物がみんな怪しい。
しかも、それも当然。
誰もが何かを隠しているから、読んでいる側も「こいつが怪しい」「いや、こっちも怪しい」と疑い続けることになる。
僕自身、完全に騙された。
ドミノと人狼を合わせたようなゲームだが、まさにドミノのように正確に繋がっていた。
しかも、ずっと友一側が劣勢だと思っていた。
ところが最後に、
「そういえば、こいつらはそういう奴らだったな」
と全部つながってくる。
特に面白かったのは、友一が単純にゲームに勝とうとしていたわけではなかったところ。
簡単に勝てる状況でも、あえてそうしない。
運営側に勝たせないようにしながら、最終的な勝利を目指して人をコントロールしていた。
ここまで来ると、もう「頭がいい」という言葉だけでは表現できない。
人を動かすことそのものが武器になっている。
沢良宜志法が好きな理由
僕が一番好きなキャラクターは、沢良宜志法。
理由は、最後まで自分の芯を持っているところ。
『トモダチゲーム』では、状況によって人の考え方や立場がどんどん変わっていく。
だからこそ、そんな中でも自分の考えを持ち続けるキャラクターに惹かれる。
そして、友一以外で「こいつ頭いいな」と思うのは四宮京。
ただ、一番心理が読めないのはやっぱり友一。
味方なのに一番怖い。
この作品では、そんな主人公と仲間たちの関係も大きな魅力になっている。
人間は怖い。でも、同時に美しい
『トモダチゲーム』を読んでいると、人間の怖さを何度も見せつけられる。
お金が絡むだけで、人は簡単に変わる。
昨日まで友達だった人間を疑うこともある。
自分が助かるためなら、他人を犠牲にすることもある。
でも、そんな中で誰かを信じ続ける人間もいる。
だから僕は、この漫画を読んで、
「人間って怖い」
と思った。
でも同時に、
「人間って美しいな」
とも思った。
「友達って何?」を最後まで考えさせられる漫画
『トモダチゲーム』を一言で表すなら、
「友達って何?」
だと思う。
ただの心理戦漫画なら、ゲームに勝った時点で終わる。
でも、この作品では違う。
相手を騙して、痛めつけて、勝ったとしても、仲間から見捨てられれば本当の意味では勝ったことにならない。
逆に、自分が損をしてでも誰かを信じることには、どんな意味があるのか。
「命」「お金」「友情」。
どれが一番価値のあるものなのか。
作中には、数万円のために人を殺す人間を友一が知っているという話も出てくる。
命はある。
でも、お金も友達もない。
それは本当に「生きている」と言えるのか。
読み終わった後も、こうした問いが残り続ける。
だから『トモダチゲーム』は、単純に「頭脳戦が面白い漫画」として終わらない。
最後まで読者に考えさせ続けてくれる漫画。
それが、僕がこの作品を好きな一番の理由です。



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